オオカミ健在2

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オオカミ健在2

「……って事だから。俺の好きなのは類……お前だけなんだ。信じて?」 「……うん。あ、でも悟さん……」 「悟?」 竜牙は類の耳元に顔を寄せるとこう言った。 "あいつか好きなのは昔から学なんだぜ?本人が気付いていないだけ" 「まぁ俺は悟にいいように使われてたんだなぁ。今思えば」 「ちょっ……。言い方」 類は「そっか」と小さく言った。 学にぃの好きな朝食を思い出す。 ガラステーブルの上の綺麗に並べられた新聞紙。 言わずに出てくる食後のコーヒー。 竜牙に言われてたしかに思い当たった。 「でも嬉しかったぜ?類の口から俺の事好きだって言ってくれて」 「そ、そんな事言ったっけかな?」 「オイオイ。……もう1回言ってくんない?」 「……やだ」 照れてそっぽを向く類に「ええーっ。何でぇ?」とプゥっと竜牙は頬を膨らませる。 「俺、"好き"の安売りはしたくないんだ」 「ちぇっ、可愛いくねぇの」 そう言って類の唇に再びキスをした。 「だったら無理矢理言わせちゃおっかなぁ?」 「ばっ馬鹿。今学にぃが言ってた事ちゃんと聞いて……た?」 互いの舌を絡め合うと竜牙の頭にオオカミの耳がひょっこり現れた。 「……悪い、もう我慢が出来ない。あれからずっと類に触れたいって思ってたから。セーブが効かん」 竜牙は類を優しく絨毯に寝かせると類のシャツのボタンを手馴れた手付きで外していく。 「ち、ちょっと竜牙。やだ……」 痣だらけの体を竜牙に見られたくなくて類は手で隠し小さく拒絶した。 竜牙は男達が乱暴に付けた印の上から上書きするようにその場所に口付ける。 ただ痛いだけの行為とは違って甘く優しい竜牙の愛撫に類は自然と固く閉ざしていた手をゆっくりと解いた。 「りゅ……が」 「お前ってほんとに可愛いな?まだ体、痛むか?」 「う……ん」 「そっか……。うーん、あ、分かった!」 そう言うと立ち上がり部屋へ向かい、類がなんだろうと体を起こすと手に何かを握って戻ってきた。 「な、何それ」 「ローション?」 「……はいぃ?」 竜牙はそれを掌にたっぷり垂らした。 「……何する気?」 「素股なら痛くないかなぁって」 「す……スマタ?」 「そっ」 【す、すまたぁぁぁぁぁ?!】 類の顔が噴火したように赤くなり思わず傍にあったスリッパで竜牙の頭を殴っていた。 スパーンといい音が鳴る。 「いてっ、何ー?」 「なななななな何じゃない!この変態オオカミ男。天誅!」 そんなこんなで何だかしっかり両思いになっちゃった俺達。 この後竜牙はちゃっかりオオカミ男に大変身して俺は何度もイカされちゃうわけで…… 「類、もう1回しよ?」 「い・や・だ。もう3回も……したじゃん」 それでもチュウゥっと首筋にキスをしてくるこの絶倫エロオオカミ男。 「学にぃ、早く帰ってきてぇ」 ____________ 「ハックション!」 学がVIP席で大きなクシャミをすると真理は「やだぁ、がっくんクシャミも素敵なんだからぁ」と上機嫌でリシャールを追加する。 「リシャール入りましたぁぁぁ」と店内はバカ騒ぎーーー 「つい竜牙を置いてきたが……あいつ本当に類に無茶してないだろうなぁ」と学は鼻水を軽くすすった。 ______________________________ 【オオカミにご用心?!】END
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