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「不満げだな」
そういきなり言われた真昼は、どきりとして千紘を見上げる。
浜を出て、歩いている間に、あっという間に日は暮れていた。
秋でもないのに、つるべ落としだ、と思う真昼に、千紘は言う。
「俺との結婚が不満か」
何故、今、話がそこへ行った?
と真昼は思っていた。
海を見た瞬間に帰ると言われたことへの不満だとは思わないのだろうか?
実はこの人でも、強引に話を進めて悪かったとか思ってるとか?
と思う間もなく、畳みかけるように千紘は言ってくる。
「だが、お前はこうして強引に押し切られない限り、ぼんやりしたまま、結婚もせず、一生を終えていたと思うぞ」
お母さん、この人、殴りたいんですけど。
でも、貴女もこの人の味方でしたね、そういえば……。
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