秋が来る前に、さらってください

42/51
前へ
/432ページ
次へ
「そんなことないです。  千紘さんは私にいろいろ嬉しい言葉をくれました。  私、千紘さんの……  なんだろう。  上手く言葉にできませんが。  なにかが好きなんです」 「……なにかってなんだ」  そう問われ、真昼は小首を傾げる。 「いや、なんだかは、よくわからないんですけど。  でも、なにかです。  なにもかも、かもしれません」 と言うと、そうか、とようやく千紘は笑った。  そのままベッドに倒そうとする千紘に、いやいやいや、と真昼は抵抗してみた。  だが、 「なにが、いやいやいやだ」 と千紘に睨まれる。
/432ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加