秋が来る前に、さらってください

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「こちらこそ、ありがとうございました。  先生、……真昼さんも」 と龍平は真昼を見つめる。  そんな龍平を見ながら、千紘が言う。 「大丈夫だ、門馬。  学生時代の恋など、すべて気の迷いだ」  おいおい……。 「お前ほどの男だ。  こんな、一緒に暮らしていても、なに考えてるのかわからないような女じゃなくて、いい人が見つかるよ」  暴言だ。  いろんな意味で……。  だが、そこで、龍平に、 「じゃあ、先生、真昼さんと高校時代とかに出会ってたら、どうなんですか?」 と言い返されて、千紘は沈黙する。
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