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「系列の女子校で、急に教員が足らなくなって、一年行ってこいと言われたんだ。
戻ってきたら、准教授にしてくれるという話なんだが、まあ、どうだかな」
と言う千紘は、その話をちょっと疑っているようだった。
まあ、大学の中も派閥争いとかすごいらしいから大変なんだろうな、と思いながら、真昼は聞いていた。
「俺の前任者の若い男性教諭は、あっという間に女子高生の餌食となり、結婚退職させられた」
……物は言いようだな。
用は生徒と出来ちゃって、学校クビになったけど、その人と結婚したって話ですよね、と真昼は思う。
「その前に赴任した男性教師もすぐに結婚させられている。
今の校長が地元の出身らしくて、来ては去って行く教員をとどめようと、地元の娘との話をどんどん進めて、結婚させられるらしいんだ。
ともかく、俺は、そのような被害に遭いたくないので、ぜひ、結婚してから赴任したい」
と千紘は主張してくるが、どのみち、その顔では無理ではないだろうか、と真昼は思っていた。
女子高生にも校長の薦める相手にもすぐに気に入られてしまいそうだ。
そう思いながら、真昼は、性格には多分に問題がありそうだが、見た目だけは素晴らしいその見合い相手を見る。
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