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私は窓の外をチラと見た。
一緒に帰る約束をしている新田君が
校門にいるはずだ。
高一のバレンタインに告白してから
今日が二度目のバレンタイン。
だけど、今、床に置いてある通学鞄の中に眠る
手作りチョコを彼に渡したい気持ちが
ぐらりと揺らぐ。
「これからは自分で書きなさい。
俺は二人の交際を否定はしない。
でもな、相手に迷惑をかけるような付き合い方は
どうかと思う。真面目に付き合っているなら尚更だ。
もう帰っていいぞ」
俯きながら職員室を出た。
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