恋がはずんだら、春。

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逢坂君。 どうしよう、優しい手つきに涙が止まらない。 「あんな冷たいやつ、やめなよ。  俺の方がずっと木野さんを大事にする。  凹ませたりなんか、しない」 逢坂君の目は真剣だった。 迷いなく私を見つめている。 「先生には俺からちゃんと話す。  木野さんは悪くないって。  だからさ、木野さんはもっと自分を大事にして?」 逢坂君は表情を崩して甘やかに微笑む。 そしてタオルをくるりと首に巻くと また明日ねと校舎の方へ戻って行く。 視線を新田君に戻したら、 その子と手を振り合って別れていた。 "木野さんはもっと自分を大事にして?" …自分を、大事に。 「逢坂君、待って!」 逢坂君に駆け寄った。
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