冷たい男

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冷たい男

早いもんで、あれから70年か……。まさか、その後偶然出会って仲良くなるなんて、その時は夢にも思わなかったよ。俺が改心できたのは秀のお陰さ。この話は墓場まで持っていこうと決めていたけど、本当にそうなるとはな……。でも、賢い秀の事だから、気付いていたのに黙っていてくれていただけなのかも知れないな。まあ、俺ももうすぐ後を追うことになるだろうよ。 俺は両手を合わせて黙祷をした後、花束と手紙を添えて秀の墓を後にした。 『今まで友人として共に過ごしてくれてありがとう。 安らかに眠ってくれ。 冷たい男より』 完
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