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元カレ
「そこのトイレでしてよ」
当時の彼は、やってくればっかり。私が好きというわけではない。合コンで知り合った。学科が違うのに、まさか学校でたまたま会って言われるとは。
「…それはちょっと…」
「いいじゃん?八重、してよ」
ぐいぐい手を引っ張られる。
「やーちゃん!やーちゃん」
「あれ、華美?」
「先生呼んでたよ」
「え、そうなの?」
先生は気まぐれで、呼んでる時はなにか添削してくれたり、くだらないことだったりだけど、すぐいなくなる人で。
「急いで行かないと…ごめん」
彼の手を振り払って走って逃げた。でも、華美を置いて行ったこと忘れてた。先生のとこに行ったら呼んだかな?って言われた。
あ、コーヒーちょうだいだったっけ?って感じだった。
華美とは翌日会ったけど、別になにも言わなくて。
「ふーん?そいつ辞めたの?」
「一度も見かけなくなったし、連絡も来ないし、電話も繋がらなくて。それで同じ学科の人に聞いたら辞めたって」
「それっていつ?」
「んーたぶん2年くらいのときかな」
「…それは華美がなんかやってるな」
「え?なにか?」
「やーちゃんを守るために勝手に。ははー、やーちゃんに知られたくないことだろうな」
「なになに?」
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