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「あの、学校辞めたいんです。えぇはい。名前はですね…え、そうなんですよね…」
「な、なにを勝手に!」
「ええ、そうなんです…」
「やめてくれ」
「はい、完了。あとは書類届くから。やーちゃんには二度と近づくなよ」
「ただじゃおかな…」
立ちあがりそうになったので、胸ぐらを掴んでおく。
「学費滞納してるんだろ?金なんとかしろよ、あとやーちゃんに金返せ」
「は?」
「ホテル代出せ。やーちゃんがお金ないって言ってたぞ」
「お前…なん」
そのまま手を振り落とし、地面に転がしておこう。
「ほら振込先。必ずここに振り込めよ。できなきゃお前働かせるからな」
私の名刺を投げつけておいた。ゼミのみんなと遊びで作ったやつ。
華美がそんなことを?すごい!
「でー、そいつ振り込んできたから。まー正確な金額とか知らないけど?金はやーちゃんの好きなおやつ買ってあげた」
「そうなの?知らなかった!」
「え、やーちゃん!?やだー!なんでいるの?だめー!」
「怖えーよー。お前やりすぎ」
長政さんは大笑い。
「ちょっと!やーちゃんに変なこと教えないで」
「はー?変なこと?やーちゃんに知ってもらわないとな?やーちゃんが知りたがってるから」
「いー!最低!」
切られた。
「華美はキレるとなにするかわかんねーからな」
「…不思議。私、いつのまにか守られてたんだね」
「まーそうだなぁ。勝手にやってるだけだけどな」
意外な一面を知ることができた。華美って頼もしいんだなぁ。
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