ご自宅

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ご自宅

「やーちゃん、昨日のは忘れてね!」 今日は夕方、仕事終わりに華美の家に遊びに来ている。運転は長政くんの舎弟に頼んだ。 「華美は頼れるね」 「やーちゃん好き!長政のクソ野郎が変なことしたら蹴り飛ばしていいからね。私に頼んでもいいよ?」 「クソ野郎じゃないよ。むしろ、かわいい?」 「え…かわいい?」 「うん、すごく」 「やーちゃん、それはないから」 華美にちょっとだけのろけた。ほんとにちょっと。 でもうんざりしてる。 「で…やーちゃんの家は?結婚するのは反対じゃないの?」 「…あ」 忘れてた。 「たぶん大丈夫!だと思うけど…」 「長政とかダメって言われるよたぶん」 華美は大笑い。もーいじわる。 家に帰ってから、長政さんに話してみたところ、予定の空いた日に行くと言ってくれた。 「やーちゃん、紹介したくねーのかと思ってた」 「いや、普通に忘れてた」 「まじかよー」 というか、結婚した気になってた。 書類もなにも書いてないのに。甘えてしまってたみたい、反省。 そして、いざ我が家へ。 「緊張する」 家で着替えてる時点で言ってる。 「…なんか、すごいかっこいいスーツ。どうしたのそれ」 「買った」 「似合うね」 「…おう」 照れてる。
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