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「やーちゃん、親父さんは?」
「マグロとってるからいないよ」
「許可いらねーの?」
「うん」
というか、金にしか興味がない人である。
「あーよかった」
「長政くん、疲れた?」
「疲れたー、運転して帰るのだりぃなぁー」
でも運転してる。母は同じ空間にいられないとのことで、帰れと言ってきた。
「途中休憩しよう。行くとき寄ったところ、近くにたしかホテルあったよ」
「…え、ホテルあんの?」
「あるよ」
「えー、やーちゃん、俺体力もうねーなぁ」
体力?おー、そういうつもりなの?
「私がしてあげようか?」
「…まじで」
長政くんは喜んだ。そんな嬉しそうにしてくれるなんて。え、というか私からそういうこと言うなんてはじめて!
「いや、まじ普通のホテルか…」
トイレ休憩後、ホテルの外観を見る。
「なにがだめ?」
「壁薄い」
「…そっかぁ」
それは考えたことなかったなぁ。まるで業者さんだな。防音にこだわるし、けっこう細かいところがある。はぁ、せっかく私がやる気になったのにな。
「やーちゃん、車じゃだめ?」
え!?車で?うそ、そんなの刺激的!
確かに後部座席になぜかカーテンがついてるし、外からは運転席と助手席しか見えないし
、後ろは見えない。
「これ、長政くんが作った車?」
「なわけない。借りた」
「なんで見えないの?」
「見張り用。まぁ、やーちゃんと楽しむためにも使えそうでラッキー!」
後ろは椅子倒すとけっこう広くなる。わくわく!
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