第一部・突然の始まり

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「……一か月前くらい、大学のサークル帰り。親友のレイヴが俺ん家に泊まりに来る約束をしていた日の夜だった。 大学近くのファミレスで夕飯食べて皆と別れてからレイヴと2人で自宅に帰ったら俺の部屋の玄関前に黄色い花束が置いてあった。メッセージカードも無かったから誰からも誰宛てかもはっきりとは分からない。でもそのままにしておくわけにもいかなかったからとりあえず花束を持って部屋に入ることにしたんだ。そしたら…………」 「そうしたら?」とメアリが聞き返した。 ポーの顔が曇った。言いにくい…と言うよりかは言いたくなさそうにちょっとだけ唇を噛んでから少しして「あぁ…」とポーは顔を上げて3人を見た。 「帰って来たばっかりだったからカーテン閉めてなかったんだよね。…じゃなくて…えっと……花束を持って部屋に入ったらそこのリビングの窓の外、まるで俺達が帰って来るタイミングを図ってたみたいたに女の人が落ちて来た姿が見えた。一瞬だったけどその人目が合った…その日からずっとさっきみたいな天井に何か落ちて来るような音が毎晩同じ時間に鳴るんだよっ」 シャクティは目を丸くしたまま固まっていた。メアリは怖くなって口を両手で塞いだ。 ベンジャミンは「まさか…」と苦笑い…。
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