第一部・突然の始まり

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「レイヴ君は何か言ってたの?」とシャクティが聞いた。 「あいつも俺と同じ考えだよ。きっとポルターガイストだ!って言い張って正直にあれからうちに来なくなったんだ。おまけに大学の友達皆に言っちゃったからおかげで俺の自宅はお化け屋敷呼ばわりさ」 はんっ!とポーは鼻を鳴らした。 「積もった雪が落ちて来て大きな音がするのかしらね?」 「可能性は充分あるわ」シャクティがこくりと頷いた。 「ちょっと待ってよ。俺の部屋2階建てアパートの1階にあるんだよ?2階の部屋なら響くのは分かるけどさ、1階の…それも俺の部屋の天井、真ん中だけピンポイントで雪が落ちて来るってある?」 「そう言われるとなんか変ね」とメアリが腕を組んだ。 「なんか変じゃないよ!絶対可笑しいでしょ!?雪がすり抜けて落ちて来るわけじゃあるまいし!」 「大家さんに言ったの?」とシャクティは隣に座り直すポーを見ながら聞いた。 「とっくに言ったし、業者の人に頼んで天井裏調べてもらいました!でもなんとも無かったんですぅ!」 ポーはテーブルに置かれっぱなしになっていたティーカップの取っ手に指をかけ既に冷めてしまった紅茶をズズーッと豪快に飲み干した。
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