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「俺あのアパート戻るの嫌だよ。新しいアパート探そうかな」
「あら勿体無い。あの場所交通の便も良いしお店だってたくさんあるから住みやすくて良いのに…」
「母さん、幽霊と住み続けて可愛い息子が大変な目に遭うよりマシでしょ?」
「やだ、まだ幽霊だと思ってるの?そのうち“彼女”だって飽きて出て行くわよ」
そんなわけ無いって言いながら本当は母さんだって幽霊だと思ってるじゃないか!とポーは肩を落とした。
「アパート出る出ないどっちにしても荷物を取りにアパートに戻らなきゃならないけどね」とシャクティが言うと「それなんだよね」とポーは深くため息をついた。
「それにアパートを出るとしてもいきなり今すぐってわけにも行かないしさ…でも1人であの部屋戻りたく無いし……ねぇ誰か着いて来てよ」
「お母さん達は別に構わないけどしばらくは無理よ?」
「え、無理?なんで?」
「今週の土日はお父さんの方のお母さんの手術があるから入院の手伝いしなきゃいけないし、来週はお父さんの仕事の同僚の結婚式に出席する事になってるのよ」
「えー!?休み明けに大学に行くまで引っ越し間に合わないじゃん!」
「そんな事言ったって……」メアリは壁にかけられたカレンダーを見た。「“まるでタイミングを図ったみたいに”今月はやけに忙しい月ね」と言った。
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