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想像していたよりも店の中は意外にも賑やかだった。決して騒がしいと言うわけでは無くて子連れの若奥様世代のお客さんなんかが多く居て楽しそうに世間話をしながら食事をしている感じ。
しんとした空間が苦手なポーは少しそれに安堵して店員さんに案内された窓際の席に落ち着いて腰を下ろした。
「ただいま今月限定のフォンダン・ショコラがおすすめとなっております」とウェイトレスの女性がメニュー表を開いて見せながらにこりと言った。
「だってさ。それ頼む?」
「あ…う、うん……」
別に自分が注目されてるわけではない事を分かりながらも店員や周りに座るお客さん達の視線を気にしてそわそわしながらシャクティは小さな声で頷いた。
「じゃあそれ2つ。あ、あとホットホワイトチョコレートも2人分お願いします」
「かしこまりました」
喫茶店の入り口付近に展示されていたスタンドボードに書かれてあった人気メニューを店に入る前にしっかりチェックしていたのだ。
「“美味しい”って言ってたよ」
おまけに店に入った時にそれを飲んでる人達の会話までちゃっかり聞いていた。
「相変わらず抜かり無いわね」とシャクティは少しだけ呆れて笑った。
ポーのこの癖は昔からなのだ。
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