第一部・突然の始まり

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別に引きこもりだからと言って何もしてないわけじゃない。 彼女は幼い時に祖母から教えてもらった得意な編み物でマフラーやら服だのを作ってインターネットの個人サイトで販売して生計を立てている。もちろん老後の事を考えて貯金だってそれなりにしている。 これからもずっと誰とも関わる事なくひっそり大人しく生活をして行くんだ……。 シャクティがやっと見つけた自分なりの生き方なのだ。それが彼女の願いであり自分自身のブレない運命だと信じている。 「シャクティ〜、調子どう?」 母親のメアリが部屋に入って来た。メアリはシャクティが今途中まで作っているクリームとブラウンの2色の毛糸で編まれた手袋を見て「まぁ素敵!」と笑みを浮かべた。
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