第一部・突然の始まり

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「あっ、そうそう!お隣のマゼンダさんから旅行のお土産を貰ったのよ。編み物は休憩して一緒に食べましょう」 メアリがそう言ったのでシャクティは階段を降りてメアリと一緒におやつタイムの準備をするためにキッチンに入った。 鍋の中に生クリームを入れ沸騰させてから火を止めチョコレートを入れゆっくり溶かす。 そこに牛乳とシナモンなんかを入れて再び鍋を温めて茶漉しでこしてマグカップに注ぎ、そこへマシュマロと刻んだチョコレートを飾って出来上がり。 ふわっと甘い香りのする2人分のマグカップを両手に持ってリビングに向かうとテーブルの上にレースの包装がされた丸い箱が置かれてあったのが目に入った。 「それを貰ったの」とメアリが言った。 「お菓子ですって」 シャクティはなんとなく箱の形からしてチョコレートが入っているような気がした。 「何かしらねぇ」とメアリがラッピングを解いて箱を開けるとシャクティの予想通り、小さなひと口サイズの可愛らしいチョコレートボンボンが詰まっていた。チョコレート好きなシャクティの顔に一瞬でわっと花が咲いた。
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