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チームに入ったからといって今までとやることは変わらず、とりあえずチームの敵になるやつを片っ端から倒しまくった。
変わったことといえば
家にあんまり帰らなくなった。チームの溜まり場は家と比べたらとっても居心地が良かった
あと1つ変わったといえば知らない奴との身体の関係を切った。切ったと言っても抱かれる方だけ。抱いて欲しいって言ってくれた人を抱くことは続けた。
何でかは自分でも分からないけど、チームにはいってタマキと一緒にいると何となくいいかなーって思えた。
チームに入ってすぐ、俺はタマキやチームからの信頼も得てチームのトップになった。
皆が俺を必要としてくれて、生まれて初めて俺の‘’居場所”が出来たと思った。
チームに居る時は基本的にソファに座っているタマキの横が俺の定位置だった。
そこでタマキと話したりくっついてるのが落ち着いた。
「タマキってさ、めっちゃ耳に穴空いてるよね、それ痛くねぇの??」
タマキの両耳は耳たぶだけじゃなくて軟骨にもたくさんピアスが付いていてゴツゴツしていた。
「ん?あぁピアスな。あける時一瞬痛てぇけどもう痛くないよ。尚哉はめっちゃ綺麗な耳たぶだよねぇ、、ピアス似合いそうなのに。」
そう言ってタマキは俺の耳たぶを揉みだした。
擽ったくて思わず笑った
「はは、俺はいいかなぁ・・・痛そうだし。
でもタマキが開けたいなら開けてもいいよ。」
「なんだよそれ(笑)」
タマキは笑った
冗談だと思われたらしい
「いや、マジだよ。俺にとってタマキは特別だし(笑)」
それまで笑っていたタマキがフッと急に真顔になって俺の顎を掴んだ
「そしたらさぁ、俺が尚哉の舌にピアス開けたいって言ったらどうするの?」
タマキの纏う空気が変わった。
今まで見たことないような冷たい視線と声だった
怒らせた?なんで?
「俺のこと特別ならいいよね?べろ出しなよ、ほら」
元のタマキに戻って欲しい。
言われるまま少しだけ舌を出した
ガッ
「・・・ッング!んんんんん!!!」
思いっきり舌を摘まれた
そしてめちゃくちゃ爪を立てられて本気で穴が開きそうなくらい痛かった
でもそれ以上に冷たい視線が嫌で、見たくなくて思わず目を瞑った
「なーんてね」
ゲボッ
オエッ・・・
パッとタマキの指から舌が解放された
それと同時に咳き込んだ
そして反射で出た涎と涙で俺の顔面はグチャグチャだった
恐る恐るタマキを見るとさっきまでの空気が嘘のようにいつものタマキに戻っていた
「・・・タ、タマキ?」
「ごめんごめん。冗談だよ!尚哉がいきなりそういうこと言うからびっくりしちゃってさ!」
「・・・俺こそごめん」
もしかして気持ち悪がられたかな
でも、俺が言ったことは本当のことだ
タマキのしたいことはしてあげたいと思う
俺に居場所をくれたタマキには飽きられたくない
「でもタマキ、俺の言ったことは本当の・・・
ダン!!!
俺が座ってるソファの後ろの壁にタマキの蹴りが飛んできた
「尚哉ァ、俺のことあんまり幻滅させるなよ・・・
お前にはまだ楽しませて貰いたいんだからさ」
ヒュッ
一瞬息が止まった
タマキがまたあの目になってたから・・・
今度は目を逸らすことなんて出来なくて俺はただ黙って頷く事しか出来なかった
✱
その後は何もなかったように生活していた
タマキのあの目も幻覚だったんじゃないかと思う程見ることも無くなった
ちなみに俺の舌も無事だ。
なんなら逆に穴開けてよ〜って言ってくる始末で、タマキの穴ぼこの耳にドキドキしながら穴を開けたのは記憶に新しい。
しかもそれを皮切りに人の耳に穴を開けるのがクセになった
人に穴を開ける事の快感
一瞬の痛みに歪む顔
流れてくる血
全部にハマった。
喧嘩の次に見つけた俺の好きなこと、俺の生きがい。
ワクワクした
やっぱりタマキは凄いなぁ
タマキが俺を生かしてくれる
ずっとここにいたい
そんな日常に終わりがくるなんてその時は思ってもみなかった。
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