第1章

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太陽が斜めに上り、青い闇の中に光が差す。 理想の小鳥のさえずりとは真逆に、 朝っぱらから蝉の鳴き声が聞こえてくる。 目が覚めると学校に行くまでまだ時間に余裕 があった。寝ぼけながらスマホを開くと、 それは代わり映えのない画面。 通知はなかった。 兄ちゃんはどうしたんだろう。 兄ちゃんとの会話をチェックするけれど、 僕が昨晩心配して送ったメールで 終わっている……と思った。 しかし驚く事に、メールは送れていなかった。 再送ボタンを押してみるけれど、送れない。 不安になり電話をかけてみる。 トゥルルル…トゥルルル…。 ただただ耳元で発信音が鳴り響く。 応答の気配がない。 何かあったのだろうか。 嫌な想像が頭をよぎる。 いや、兄ちゃんなら大丈夫だ。 きっと大丈夫。 そう言い聞かせながら、 静かな部屋で学校に行く支度をする。 黒くて地味な制服に身を包み、 リュックの中を確認する。 あ、プロット用のノートを忘れてた。 思いついた事をすぐに書き留められるように 僕はリュックにノートを入れ、 制服の胸ポケットにメモを入れる。
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