第1章

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ゆっくりと腰をあげ、呼吸を整えて 辺りを見回す。 すると、またもや人が消えた。 トラックを運転していたおじさんが、 突然眠るように目を閉じて、 透明になっていく。 僕は目を見張った。 トラックの中には人がいなくなり、 信号の前で動かなくなっている。 その背後にいる車に乗った 若い男性がスマホ片手に苛立たしげに クラクションを鳴らすも、トラックは 動かない。それどころか、 その若い男性までもが消えてしまった。 夢なら今すぐ覚めてほしい。 こんな世界は怖い。 一体どうなってしまったのか。 視線を足元に落とす。 深呼吸をするが、ここにいるのが怖くなって、 学校に向かって駆け出した。 走りながら、ただただ思う。 僕は今どこにいるんだ。 何の世界を見ているんだ。 ここは一体どこなんだ。
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