第1章

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だがもっと驚いたのはその後だった。 学校に着いた僕は唖然としていた。 学校に人がいなかったんだ。 今日は月曜日。 祝日でも何でもない。 それなのに学校に人がいない…。 どういう事? 何も頭の整理がついていないのに さらに糸が増えて、より複雑にこんがらがる。 ドキドキと鳴るうるさい鼓動を抑えながら、 僕はそっと校門をくぐった。 誰かがいるわけでもないけど、静かに。 忍足で階段を登り、階段の踊り場で 辺りをキョロキョロと見渡す。 人がいる気配を感じない。 僕は1-1だから、1番奥の教室へと向かう。 教室に着いた僕は思わず 「うおあぉぅ⁉︎」 と訳のわからない声を出して、 意識を飛ばしかけた。 声が廊下に反響する。 目を盛大に開いた僕はそっと 教室に足を踏み入れた。 これは見間違いではなさそうだ。 教室の黒板に社会科の世界史の板書が 書かれていた。 そしてイスと机が休み時間かのように ぐちゃぐちゃになっている。 全体何が起こってるんだ⁉︎ もう一度確認する。人はいない。 なのに人がいるかのような教室…。 違和感しか感じられない。
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