第1章

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その時だ。 階段から大きな足音が聞こえてきた。 トントントンとリズミカルにこちらに 近づいてくる。 僕とは逆に、周りを全く気にしていない かのような足音だった。 心臓が高鳴る。 ただ息を潜めて、教室の中心に立っていた。 そして動けなくなっている僕がいるこの教室 のドアが、勢いよく開かれた。 バシンっ!と音が鳴る。 「…⁉︎」 開けた人はドアからひょっこり顔を 覗かせた。女の子だった。 そして突然へなへなとそこにしゃがみ込んで、 へへっと笑った。 その顔は安堵に満ち溢れていたんだ。 「君は…」 そう、僕のクラスメイトだった。
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