第2章

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「…でも、付き合うってどういうこと?」 「え、えっと…。」 妹がいなくなると、なんで僕らが付き合うんだ? だが、それっきり彼女は黙り込んでしまった。 何か言えない理由でもあるのだろうか。 「…東雲…昌幸…。」 消え入りそうな声で彼女が言った言葉に 思わず耳を疑う。 「な、なんでそれを。」 僕の父親の名前だった。 思い出のない、 顔も覚えていない父の名前だった。 なんで彼女が知っているのだろう。 動揺が隠せない僕。 すると彼女は、一瞬笑った。 怒っているような、寂しそうな、でも嬉しそうな…。僕には全く感情が読み取れない、複雑な笑顔だった。
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