第2章

17/23

62人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
「でもやっぱり私達って、ほんと似た者同士みたいだね。」 「そうだね。あ、いい事思いついた。せっかくまだお互いのことを知らないから質問し合いっこしよう。」 「いいね。じゃ、私から質問するよ〜!」 「うん。」 「趣味は?」 「本を書くこと。」 「好きな食べ物は?」 「飴。」 「え、飴?」 「ああ。僕はあの太陽に照らすと光る飴が 大好きなんだ。きらきらした涙みたいで。」 「すごい理由だね。ちょっと太陽に照らしてみたい!」 そういうなり彼女は伝票を持って席を立った。 「え⁉︎どうしたの⁉︎質問はー⁉︎」 彼女は見向きもせずに、ただ好奇心に満ち溢れた表情をしながら歩いていく。 僕は慌てて残っていたパンケーキを口に頬張り、彼女がお金を出そうとしたところをギリギリでとめる。 「僕がだす。」 「やだ!私が出すの!」 お互い譲る気がしない…。 「最初はぐー!」 え、急にじゃんけん?小学生かよ! 「じゃんけんポンっ!」 僕はパーをだした。彼女は…グーだ。 「「やったー!」」 2人とも喜んだ。 「え、なんで君は喜んでるの?」 僕は聞く。 「だってお金出さなくていいんでしょ?」 「だったら最初から素直に言えばいいじゃないか。」 「だってカッコ悪いじゃん…。」 思わず僕らは吹き出す。 結局僕がお金を出して、店の外に出た。 汗が吹き出す。 ギラギラと暑い太陽が照りつけ、アイスみたいに体が溶けてしまいそうだ。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加