第1章

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第1章

ギラギラと太陽が照りつける猛暑の中、 やっとテスト期間が終わった僕は 家に帰ってくるなり冷凍庫から氷を 3つ取り出し、口の中に頬張った。 頭がキーンとする。 口の中から冷たい空気を出して、 真夏の暑い空気を入れる動作を 繰り返し、顔をしかめながらも 氷を飴玉のように口の中で転がした。 そして扇風機が直接あたるところへ移動し、 風量を「強」にした。 どうやら兄ちゃんはまだ 家に帰っていないらしい。 きっとティッシュ配りのバイトを 駅でしているのだろう。 歩いて下校しただけでこんな状態に なってしまう僕に比べて、兄ちゃんは凄い。 兄ちゃんに「ただいま」のスタンプを送った。 そして僕は風が吹き抜けるベランダで 汗をかきながら浅い眠りについた。
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