62人が本棚に入れています
本棚に追加
第1章
ギラギラと太陽が照りつける猛暑の中、
やっとテスト期間が終わった僕は
家に帰ってくるなり冷凍庫から氷を
3つ取り出し、口の中に頬張った。
頭がキーンとする。
口の中から冷たい空気を出して、
真夏の暑い空気を入れる動作を
繰り返し、顔をしかめながらも
氷を飴玉のように口の中で転がした。
そして扇風機が直接あたるところへ移動し、
風量を「強」にした。
どうやら兄ちゃんはまだ
家に帰っていないらしい。
きっとティッシュ配りのバイトを
駅でしているのだろう。
歩いて下校しただけでこんな状態に
なってしまう僕に比べて、兄ちゃんは凄い。
兄ちゃんに「ただいま」のスタンプを送った。
そして僕は風が吹き抜けるベランダで
汗をかきながら浅い眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!