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すると彼女は飴を買い、僕のもとへ帰ってくる。
「20円だった!安いね!」
そりゃコンビニの飴玉が一つだからな。って、あれ…?
「10円じゃないの?」
「じゃじゃーん!」
彼女の手には飴が二つのっていた。
しかも、片方は黄色かった。
「これは…?」
彼女は僕の質問に答えずにコンビニに背を向けようとしていた。
「ちょっと、まってってば!」
すると彼女は長いかみをなびかせ、
振り返った。
そして僕の方に再び戻ってきて、
不意打ちに僕の手を握った。
「え…?」
「あれ、手繋いで欲しいんじゃなかったの?」
「…僕がいつそんなこと言ったっけ?」
「顔に書いてあったよー?」
「なら今もなんて書いてあるか読めるはずだよね?」
「え、えっと…。」
「答えは、君はおかしい、でした。」
「分かんないよー!」
僕は手を外そうとしたが、彼女はさらに力を入れてきた。
彼女のドヤ顔が鼻につく。
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