第2章

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しょうがないから僕は手をそのままにし、 コンビニを後にした。 つい長いため息をついてしまう。 なんでこんな事になるのかな。 「ため息つくと幸せが逃げてくぞー?」 「いや、僕は悪いものを吐き出しているんだ。それにまた吸っているから幸せは戻ってくる。」 「それは面白い意見だね。」 「ああ。」 すると彼女は歩きながら、肩をあげて とにかく空気を吸っていた。 「君は何をしているのかな。」 「いやー、君は不幸を吐き出して幸を吸っているんだよね?なら不幸のない私は吸うしかないんだー!」 「はあ。」 「んもう、塩対応だなぁ!」 「すみませんね。」 でも、心の中で僕は思う。 不幸を抱えているのは、 僕より君なんじゃないかなって。 本当は誰よりも不幸を吐き出したほうがいいんじゃないかなって。 「さ、飴ちゃんの時間だぞ?」 いつのまにやら、さっきの公園にいた。 「その黄色いのは何なのかとさっきから聞いているんだが。」 「黄色い飴は君のだよ。」 そう言って彼女は僕の手を二人の間に、半ば 強引に持ち上げて、下ろした。 「ん?」 僕が下された手を開くとそこには黄色い飴があった。
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