第2章

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それは、今まで僕が食べたことのない色。 なんで黄色なのだろう。 僕は涙の色が好きなのに。 あのブルーな世界が良いのに。 僕が戸惑っている間にも彼女は青色の飴を 包装紙から出していた。 彼女の小さい手のひらに飴が転がる。 「今日はいい天気だ。 それを太陽にかざしてごらん?」 言われた通りに太陽に飴をかざした彼女は叫んだ。 「うそ⁉︎何これ⁉︎」 「な、すごいだろう?」 飴を通した太陽は、滲みつつも眩いくらいの 光を放ち、僕らは目を細める。 そのまま辺りを見渡すと、ぼやける信号、 青いコンクリート、青いベンチ。 それは、涙を流した時の世界ときっと同じ。 ブルーに見える世界は、僕の切ない心をえぐる。でも彼女は違うようだ。 「私はやっぱり、いつも変わらないこの青空が好きだなー。」 「確かに青空はいつも青いね。」 飴をかざしても、涙を流しても、いつも青い空はブルーだった。 けれど、やはり悲しい色にはならないのが、この空だった。
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