第3章

1/14

62人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ

第3章

ピロリン! メールの着信音で目が覚める。まだ朝の4時じゃないか。こんな時間に一体誰だろう。 スマホを開くと、 ブルーライトに目がくらんだ。 当たり障りのない、無地の待ち受け画面。 そこに表示されたのは、花井さんからの メールだった。 普段誰からもメールがこない僕のもとに クラスメイトからメールがきたんだ。 暗証番号を、0815と高速で入力する。 メールを急いで開くと、この間交わした 「よろしく」のスタンプの後に彼女からきた 「おはよ!」の文字があった。 僕も「おはよう。」と当たり障りのない返答。 こんなのだから誰からもメールがこないんだっていつも思うけれど、今日は別にいい。 少しだけ彼女の明るいテンションがうつったのかもしれないな…。 すると再びスマホがメールの着信を知らせる。 「今日は5:00に、八王子駅前で待ち合わせね!」 また急な…。 あと1時間。こうしちゃいられない。 僕ははね起きて、急いで着替えを済ませる。 結果自己ベスト。三分で家を出た。 寝癖は気になるのだけれど。 そして自転車にまたがり、駅まで足をひたすら回した。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加