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バスが出発してから1分。
彼女は爆睡した。
さっきまであんなに寝ないと言い張っていたのに。
「…襲うぞ?」
さっきの彼女のセリフのせいで、つい意味の分からない事を小声で言ってしまった。
全く僕は何を言っているのだろうか。
一人でふっと笑い、首を傾げる。
スースーと気持ち良さそうに寝息をたてる彼女
を見ていたら僕も自然と笑顔になっていた。
彼女と会ってからまだ一日と少し。
でも、もしかしたら、僕は人生で最も笑った回数が多いのではないかと思う。
でもそんな僕の考えを妨げる出来事が起きた。
「…まさ…ゆ…き……。」
「え、?」
今なんて?
僕の頭の中で何かがパチっち音をたてた。
僕はいてもたってもいられずに、彼女を揺さぶる。激しく前後に揺さぶる。
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