第3章

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バスが出発してから1分。 彼女は爆睡した。 さっきまであんなに寝ないと言い張っていたのに。 「…襲うぞ?」 さっきの彼女のセリフのせいで、つい意味の分からない事を小声で言ってしまった。 全く僕は何を言っているのだろうか。 一人でふっと笑い、首を傾げる。 スースーと気持ち良さそうに寝息をたてる彼女 を見ていたら僕も自然と笑顔になっていた。 彼女と会ってからまだ一日と少し。 でも、もしかしたら、僕は人生で最も笑った回数が多いのではないかと思う。 でもそんな僕の考えを妨げる出来事が起きた。 「…まさ…ゆ…き……。」 「え、?」 今なんて? 僕の頭の中で何かがパチっち音をたてた。 僕はいてもたってもいられずに、彼女を揺さぶる。激しく前後に揺さぶる。
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