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何に対してだか分からないが、
彼女は頭を横に振る。
まるで全てを揉み消すかのように。
「花井莉江!!君は僕の父親と何か関係しているのか!?」
関係していたとしても、僕には関係ないはずだ。なぜ僕は今焦っているのだろうか。
でも気になった。嫌な空気を感じた。
僕を捨てた父親と、家族を大切にする彼女の
関係。一体何が…。
彼女は俯き、嗚咽を漏らした。
「い、言わなきゃ、駄目……?」
「教えてくれよ!僕にも全く関係ないわけじゃないんだ!」
なぜだか神様に、聞けと言われているような気がした。
「分かった……。分かった、話すよ。」
そう自分に言い聞かせるように言った彼女は、
苦しそうに話し始めた。
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