第3章

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「まぁ、聞いて。あれから私は犯人を探し始めた。被害届を出したの。今までは私と香乃を引き取ったおばあちゃん達が、歳をとっていたからだす機会がなかったんだけど……。自分が動かなきゃって思った。」 彼女の行動力はこういうところからきたのかもしれない。 「それで、犯人は……?」 「うん…。傷つかないで聞いてね…?」 先程に増して彼女を取り巻く空気が、冷たく、 不穏なものになったのが分かった。 笑顔の彼女とはかけ離れた表情。 強ばっていて、不安と何かの恐怖に押し潰されそうな表情。 「犯人は、東雲昌幸。あなたの、お父さんだったの……。」
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