第4章

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バス停で次のバスが来る時間を確認する。 運良く1分後だったから待つことにした。 あぁ……。 待っている間も落ち着かない。 しーんとした新宿は寂しくて、それなのに、 いや、だからこそ僕の心の中は不安と後悔で押し潰されそうだった。 1分間、バス停の周りをウロウロしていたが、 結局バスは来なかった。 こんな時に限って……。 …あ……、トキストで運転手がいないのか!? こんなに影響が……。 一刻も早く社長に会わないと……。 一刻も早く花井さんの元に行かないと……。 焦りがジリジリと迫ってくる。 こうなったら……。 運動神経にも体力にも自信のない僕は、 走ってバスの終点まで行くことに決めた。 もう、1歩では追いつけないんだ。 何歩も何歩も踏み出さないと……。
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