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もう日が暮れ始めていた。
結局彼女のことを見つけれることの
出来なかった僕。
重い足を引きずり、駅に向かって歩き出した。
「はぁ……。」
君は今何を考えて、どこにいるのかな……。
さっきまで隣にいたはずの君に、僕はいくら走っても追いつけなかった。
また、君の隣に並ぶ事は出来なかった。
1人で八王子まで帰り、誰とも会わないまま僕は帰路に着いた。
もう、そこは青く、暗い闇の中だった。
街灯が寂しく通りを照らす。
だけど君といた時みたいに、明るい世界は見えなかった。
また君に会う前と同じ世界。
自分がとっさにとってしまった行動は、花井さんを傷つけ、そして僕自身のことを傷つけた。
どうしたらいいのだろうか。
もうどこに行ったらいいのか分からない。
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