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明かりのついた家の前。
兄ちゃんの部屋の二階の小さな窓を見上げる。
きっと何時間後かの未来にいる兄ちゃん。
また会いたいのに、
僕がその希望を崩したんだ。
鍵をドアにさし、ガチャっと音を鳴らす。
ドアノブを自分側に引く……はずだったが、
引けなかった。重かった。
過去や現実に押し潰されそうな僕には開けることが出来なかった。
まだ家に帰ってきてはいけないと言われているようだった。
一呼吸おき、僕は暗い道を再び戻り始めた。
過去を戻るように。
ただ前に足を進めた。
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