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「ううん……。私が助けてだとか、付き合ってだとか……。そういうことを言わなければ、君は過去を知ることなく、傷つかずに済んだんだよね。……私がそもそも君に…………。」
あまりに彼女らしくない発言だった。
そんな顔をして、そんなネガティブなことを言わないでほしかった。
そして一本の糸が思考のどこかで引っかかる。
「君が僕に告白したのって……もしかして…復讐とか、恨み……?」
もしかして、だけど…。
彼女、花井さんは自分を追い詰めるとすぐ辛そうな表情に一変する。
普段の笑顔とはまるで違う顔に。
それにこの数日間、彼女は妹や、過去のひき逃げ事件に関することになると普段に増して積極的になっていた。
だって学校ではみんなの中心にいるものの、
自分がすべきことを真っ当するだけの人だったから。
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