第4章

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なんか好きだなって思うようになってた。 自分でもね、自分の幸せを壊したような人の息子をさ、好きになるなんておもわなかった。だけど、それは止められなかった。 だってもう一つの、私たちの繋がりを知っちゃったから。 私は君に人生救われたんだ、って。 今の私、いつも笑顔でいられる私があるのは、君のおかげだった。 初めて施設に入った日、血の海となった車の中で天へと昇っていった親と悠香の姿は私の目に焼き付いてた。 それから何が起きたのかも理解できなかった時、母親に守られて生き延びた香乃の泣き声は、ずっと耳から離れなかった。 もわん、もわんとこだましていた。 頭の中が真っ白、いや、真っ赤になった時のあの感覚は忘れないな……。
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