62人が本棚に入れています
本棚に追加
そして今その小説を君が手にしている。
一時間ほど経っただろか。
月を見上げていた僕は、ふと左側からの
さっきと違う雰囲気感じた。
思わずそちらを向くと、
小説を読みきった彼女。
そして君が再び笑顔になる。
滝のような涙を流しながら、めい一杯笑っていた。ありがとう、ありがとう、そう何度も何度も言って。
こっちのセリフなのに。
今度は、月の光を反射した涙。
その輝きに圧倒される僕は、思わず彼女を抱きしめて言った。
「 ー 」
僕のキャラにはそぐわないけど…。
すると彼女がくすぐったそうに笑って、
ニコッと口角をあげたのが、彼女の顎に触れた僕の肩を伝わって分かった。
最初のコメントを投稿しよう!