第4章

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そして今その小説を君が手にしている。 一時間ほど経っただろか。 月を見上げていた僕は、ふと左側からの さっきと違う雰囲気感じた。 思わずそちらを向くと、 小説を読みきった彼女。 そして君が再び笑顔になる。 滝のような涙を流しながら、めい一杯笑っていた。ありがとう、ありがとう、そう何度も何度も言って。 こっちのセリフなのに。 今度は、月の光を反射した涙。 その輝きに圧倒される僕は、思わず彼女を抱きしめて言った。 「 ー 」 僕のキャラにはそぐわないけど…。 すると彼女がくすぐったそうに笑って、 ニコッと口角をあげたのが、彼女の顎に触れた僕の肩を伝わって分かった。
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