第4章

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まぁ、一つ幸運なことに、僕は花井さんと再び新宿に行けるようになった。 つまり、またもとの関係に戻れた。 小説が僕らのすれ違いを正して、また僕らを一本の糸で繋いでくれた。 もうこの糸は切らない。 僕らの、何か分からない関係を繋ぐ糸。 恋でも友情でも、ましてや被害者、加害者の関係でもない、ただ、必要としあう関係。 今度こそ彼女の側にいることを、笑いながらそっと決意した。
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