第4章

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「…ううん、話す。もう隠さないから。…私はね、ひき逃げ事件の事を新聞に書かれているのを見つけたの。そうしたら、それには事実無根なことが書かれてた。私のお父さんがスピード違反していたのが原因だって。だから私が真実を伝えられるようになってやるーって思ってるの。」 ……そんな事が。 「ごめん。」 咄嗟に僕は謝る。 「だから君は悪くないってば!」 やや彼女が感情的になり、僕らは同時にはっと我にかえった。 「ごめん。」 今のごめんは二人のものだ。 思わずハモったことに対して、僕らは愉快に笑った。 「もう謝るのはなし!それに私はあの事のおかげで夢を見つけられたんだから、べつにいいじゃん!ね!」 なんてポジティブな人なんだろう。 やっぱり冗談は過ぎるけど、いい人だな、と心底関心した。 僕もこうなりたい。
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