第4章

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「さーて!ここだぞー!」 彼女が両手をババーンと広げて、見上げた先は高くて大きいビルだった。 まるで空に届かんばかりの高さで、ビルのてっぺんを見ると首がつりそうになった。 すごく大きい。そしてそのビルの正面には警備員が二人立っていて、密かに僕の胸は心拍数が増した。 緊張感、だろうか。 ただの高校生が、故障をなんとかするために会社に乗り込んできって、意外とやばいことなんじゃないのか……? そんな風に僕が考えを巡らしていることも知らずに、花井さんはズカズカと警備員さんに声をかけに行った。
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