ロボトニークボーイ

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今日は運搬のお仕事だ。 これは荷物を運んだりするだけなのだが、かなり腰にくる。さらに力も必要になる。 仕事の依頼のメールを確認しながらマスクを片手に家を飛び出す。 「あっつーい」 そう呟きながら、家から一歩しか出ていないのに文句をたれる。 今日単発で働く4人が事務所に集まる。 向かう先は小松空港である。 「じゃあ、いきましょうか」 無精髭を生やした、ひょろひょろの男はそう言った。 この人が仕切って行くんだな。こういう時はだいたい、最初に口を開いた人が先陣切って行こうとする。 この人に着いていけば、他の人と無駄口を話すことも無いし。 友達を作ろうとなどと思わなくても済むので、一石二鳥だ。 「すいません、俺酔いやすいんで前でいいすか?」 30代くらいで、顔色は浅黒く爪は黒く色付いた男が言い出した。 「はい。」 「どうぞ」 「•••••」 残りの2人はか細い声で返事をして、私は頷くだけであった。 各々がマスクを着けて、4人乗りの白のステーションワゴンに乗り込んだ。
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