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少年は、その荷物が重た過ぎたため違うものから先に運ぼうとした。
「お前、それから先にやれよ」
少年の行動をいちいち見ている40代半ばくらいの、普通のサラリーマンにいてもおかしくないようなシャンとした顔と身なりの男が彼に絡んでいた。
「はい」
少年は一人で半分引きずりながら荷物を持っていたが、表情はひとつも変えなかった。
私は何故か一緒にその荷物を運んで手伝っていた。
「すみません、ありがとうございます」
少年はやっぱり顔の表情はひとつも変えず、声に色もなく、まるで人間の見た目をしたロボットのようだった。
「姉ちゃん、ずいぶん優しいけど彼氏さん?そんなことしたら捕まるよ〜」
いちいち絡んでくるこの男を私はこれからコードと呼ぶことにした。
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