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「休憩でーす」
「僕、木島 拓也 っていいます
先程はありがとうございます。
よかったらこれ、飲んでください。」
少年はそう名乗り。あったかいブレンドコーヒーをくれた。
「ありがとう」
「ご飯一緒に食べませんか?あっちが食堂なんですよ」
私はこの現場が初めてなので、場所も知っておきたいためついていく事にした。
「いいけど、すぐ戻った方がいいと思うからどっちかが食べ終わったらすぐ戻ろうね」
私は冷たい人だから、またこんな仕打ちだ。
そんな話しを木島くんとしている間に誰かが割り込んできた。
「俺さー、実はこの仕事全然入ってなくて前は商社で働いてたんだ。お姉さんここは初めて?」
コードが意気揚々と私に話す。
「なかなか女性こないでしょ、ここに居たらモテるんじゃないの?彼氏とかいるの?」
「いや••••」
「たしかに、そんな様子じゃ作れないか」
「はぁ•••」
「俺はだめだよ、奥さんいるから」
こんな人でも奥さんがいるのか、色んな意味で可哀想な人間だな。
「好きなタイプあるの?」
「そうですね、モテない人ですかね、地味で頑張ってる人とか好きになりやすいんで、あなたみたいな人が一番タイプじゃないですね、あははは、むしろカッコ悪い。じゃあ午後も頑張りましょうね、では」
私は淡々と話し、まだ言い足りない事がありそうな残念な顔をしているコードを無視して、食堂に向かった。
コードはその場で立ち尽くし、木島くんは私を追ってきた。
「世の中ああいう人はいっぱいいるよね」
「はい、僕もそう思います。」
「ああいう大人どう思う?」
「どうも思いませんね、あれに対抗したら大人じゃないと思うので」
「••••」
まだ子供な彼が大人びた事を言うものだから少し気になって聞いてみた。
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