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ある昼間に突然の電話。義理の母になろうとしている人が交通事故に遭遇。信号機の無い交差点を三台で連なり出た所に百五十キロ前後のスポーツカーに飛ばされてしまった。乗っていた車は軽自動車、最後尾で逃げる間もなく車から投げ出され道路に打ち付けられてしまった。
病院に行くと親族、知人友人や近所の人達が廊下で待っていた。その前にはある部屋があるのだが警察官、医師や看護師がいる様だ。皆何の表情も無く淡々と仕事をこなしている。
暫くしたら医師から話があるとの事で家族のみ入れて状況が話された。既に亡くなられていて縫合などをしたらしい。嗚咽の中、外では近所の人達が何やら話をしている。旅立ちの送り出す段取りだ。直ぐ近くで話さなくても良かろうに。
家に帰った義理の母は布団に寝かされてはいたが目が開いたまま、私もずっと行動を共にしていたが、目を閉じるようにしてあげた。誰からか分からないが声だけが聞こえて来たので付き合っていた女性、娘と一緒に目を閉じるようにした訳である。婚約をしてはいないが不安の中だろうから近くにいた。
後で聞いた話ではスポーツカーを運転していた男が謝罪をしに来たのだが玄関先で罵声をかけて追い返した様だ。
皆みな冷たい。そうでもないと事は進まない。
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