甘い甘い恋の味

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甘い甘い恋の味

 講義の終わりのチャイムと共に、部屋を飛び出す。目的地は、先生のゼミ室。 「先生!」  ノックも曖昧に、先生のゼミ室の扉を開ければ「またですか」と言わんばかりの呆れた顔。  ここでは、折れない。だって、諦められないもん。 「おはようございます!」 「はい、おはようございます」 「今日何の日かご存知ですか?」  私の言葉に、先生がパソコンの前から立ち上がって冷蔵庫へと向かう。机の上にずらりと並べられたのは、色とりどりの市販品のチョコレート。  私以外からも、貰ってたんだ。 「あ……そうですよね」  咄嗟に後ろ手に紙袋を隠す。私1人で浮かれて馬鹿みたいだ。本命じゃないにしても、先生に渡す子なんていっばい居るだろう。 「その袋はなんですか?」
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