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忍び寄る不安
二十八にもなって、独身だし恋人もいない。それどころか、男性経験もないなんてやばいんじゃないか。女として終わってるんじゃないか。
そんなことを考えて、誰に、何に、そう思わされているのだろうと我に返る。
世間に? 理想に? 人生計画に? 実態のないものに劣等感を植え付けられている自分。今までどうやって生きてきたのだっけ。わからなくなってしまった。わからなくなったから、もう生きなくてもいいかと思った。でも、死にたいとも思わなかった。息を止めても二十秒が限界だし、何もしなくても腹は減る。体は生を求めていた。だから、生きている。
二十八、独身、女。昔見ていたアニメのキャラクターのことを思い出す。あのキャラクターと今の私を形作る要素はおんなじなんだ。
アニメを見ていた頃は、二十八歳なんて遠い未来だと思っていた。自分がその歳になって感じるのは、成長でも希望でもなく、焦り、かもしれない。
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