プロローグ

1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

プロローグ

この物語は2人の女子高生の友情のお話…… キーンコーンカーンコーン 聞きなれたチャイムの音が学校中に鳴り響く。 今日は私立南丘高校の入学式の日だった。 私の通っていた中学校からかなり離れており同じ学校の人は誰一人居なかった。 「おはようございます」 私は受付に行った。 「はい、おはよう、貴女お名前は?」 「星ノ守彩花です」 「星ノ守彩花さんね……えっーとあった! 1年2組ですね。すぐそこの廊下を右に曲がって直ぐにありますから教室に行ってください」 「……はい」 私は受付の人に言われた通り1年2組の教室に向かった。 ドアの前に行くと座席表が貼られており、私は自分の席を探した。 (どこだろう……) 席は窓側から右に2番目の1番後ろの席だった。 私は内心1番後ろの席で良かったと安心していた。 「……よかった」 私は昔からとても人見知りで、仲良くなるまで時間がかかりやすかった。 私はドアを開け自分の席に行った。 教室にはまだあまり人がいなかった。 私は昨日こっちに引っ越してきたばかりで、学校までの行き道が分からなかったら困ると思い、家を早く出てきたのだ。 私は友達もいないのでとりあえず寝て入学式を待つことにした。 ガラガラガラ 隣の席のイスが動く音がした。 私は伏せていた顔を上げ隣の子の方を見た。 その子はとても綺麗で巨乳で私には無いものを持っているように見えた。 私は彼女に惹かれていた。 すると…… 「お、おはよう」 まさかの彼女から話しかけてきたのだ。 「お、はよう」 私達の初めての会話はとてもぎこちなかった。 2人とも顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。 「あ、私の名前は冷泉姫乃よ、よろしく」 彼女は少し恥ずかしそうにしながらも自己紹介してくれた。 (が、頑張れ私……) 「が、頑張れ私!」 (うん?) 「ぷぷぷっっっ!」 私は自分の間違えに気づいた。 私は顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。 「心の中の言葉でてるじゃん」 彼女は腹を抱えて笑っていた。 「わ、笑わないでよ!」 私は恥ずかしさからか、少し強めに言ってしまった。 (ま、まずい……) 「あ、ち、ちが」 「あ、ごめんね、面白かったから」 「う、うん」 (やっぱりこの子すごい優しい子だ……) 「で、名前は?」 「私は星ノ守彩花、よろしく!」 私は最高の笑顔でそう言った。 「う、美しい!」 彼女の目がキラキラと輝いていた。 「そ、そんな事ないよ」 私は少し照れながらそう言った。 「お世辞じゃないよ! 星ノ守さん本当に美人さんだよ!」 「あ、ありがとう。ひ、姫乃、あやでいいよ!」 私は勇気を振り絞り言った。 「あ、あやね、OK!」 「うん!」 私は高校最初の友達が出てきてすごく嬉しかった。 私は姫乃が隣に来てからずっと思っていたことがあった。 「姫乃、この匂いって」 「うん? あ、ごめん、この匂い嫌だった?」 「ううん、私この匂い好きなんだ! だって私もこの匂いの香水使ってるもん」 私は鞄から香水を出して見せた。 「あ! これ私と同じだ! pinkpleaseの香水いいよね」 私は今までこの匂いは臭いと言われてきたが初めて共感してくれる人に出会った。 「わ、私この匂い好きだけど中学校の友達には臭いって言われててあんまり使えなかったけど今日初めて共感してくれる人に出会って嬉しい」 「え! 私も実はそうなんだ、私達気が合うのかもね!」 姫乃はそう言うとニコッと笑った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!