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2話 西園寺璃音
体育館に着くと2、3年生や保護者と沢山の人が居た。
「よし、お前達出席番号順で座れ」
田仲先生は体育館に着くと指示し始めた。
「田仲先生って本当に先生なんだね」
「そんな感じには見えないのにね」
私達は自分の出席番号の席に座った。
私は姫乃と離れてしまい急に緊張しはじめたのだろうか、
少しお腹が痛くなっていた。
「……ううぅ」
少しうなだれていると、
「あや! 大丈夫?」
心配そうに背中を摩ってくれる姫乃がいた。
「え!? 姫乃どうして」
姫乃は出席番号順でいくと1番最後になるのだ。
私があたふたしていると……
姫乃は私の口を抑え、
「しぃ〜」
姫乃は悪い笑みを浮かべていた。
「先生はまだ席順覚えてないからって平和さんと変わったんだぁ〜」
平和さんとは私の出席番号の前の人だ。
「平和さんはいいって言ってくれたの?」
「平和さんは私の隣の凛瞳君の事が中学校の頃から好きらしいから変わってあげたんだよ」
「そーなんだ」
私は姫乃の優しさに少し感動していた。
「まぁ、私もあやの隣が良かったし……」
「え?」
私は照れながら姫乃の方を見ると姫乃の顔は真っ赤になっていて、
今にも火が出そうなくらい真っ赤だった。
(姫乃と親友になりたいなぁ)
「ねぇ姫乃、私姫乃と親友になりたいです……」
私は心の中で思っていた事を口に出していた。
「え!? 私も同じこと思ってた! あやとならずっと一緒にいられる気がする!」
お互い恥ずかしいことを言い合い照れあった。
「お前ら入学式が始まるから静かにしろぉ」
生徒達は先生の指示に従い静かにした。
「これより第16回南丘高校の入学式を行います」
生徒会であろう人が司会をしながら入学式は順調に進んでいった。
「校長挨拶、古川校長先生お願いいたします」
校長先生がステージに登壇しマイクの前に行き、
話を始めた。
「オホン、生徒諸君入学おめでとう、本校に入学をさせて頂いた保護者の皆様ありがとうございます。堅苦しい挨拶はこの程度で終わりとして1年生の生徒諸君、今日から君達は本校の生徒になるわけだという事で君らには自覚を持ってもらう!」
「な、なんか凄いクセの強い校長先生だね」
「う、うん」
「本校はまだできて16年しか経っていないのにも関わらず、北海道の高校で頂点にいるその理由が分かるかい? そうそれは一人一人が自分を磨こうとして色々な事に挑戦するからだ。それにより女子バレー部は今年全国大会準優勝、野球部は甲子園で3位、サッカー部は全道優勝とすごい成績を叩き出している、諸君も先輩方を尊敬し頑張って欲しいと思う、以上」
校長先生はそう言うとステージから降り体育館を後にした。
「校長先生ありがとうございました。続いて生徒会長挨拶、生徒会長西園寺璃音さんお願いいたします」
「はい!」
生徒会長が返事した瞬間に体育館の空気が一瞬にして変わった。
どのように変わったか説明しろと言われたら難しい、
だが空気が変わったように私は感じたのだ。
会長がステージに上がると体育館中がざわついた。
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私は南丘高校3年西園寺璃音と言います。皆さんには言っておくことがあります、校則は守りましょう。以上です」
生徒会長はそう言うとステージから降り生徒会役員席に座った。
西園寺先輩は、まさかの金髪でめっちゃ美人で気品のあるザッお嬢様だった。
「西園寺ってまさか西園寺グループの娘?」
周りの席でコソコソ言っているのが聞こえた。
「ねぇ姫乃、西園寺グループって?」
「え? あや知らないの? 西園寺グループって言ったら超大手化粧品会社だよ!」
「化粧品会社……」
私はあまり化粧などした事がなくそう言う知識がなかったのだ。
化粧品会社の跡取り娘かぁ……
私は少し先輩に惹かれていた。
「これにて入学式全行程を終わります。生徒の皆さんは教室に速やかにお戻りください」
私達は教室に戻った。
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